Project/Area Number |
11771282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
蔵原 慎一 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (20304818)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 転移 / 接着分子 / 糖鎖抗原 / シアリルルイス糖鎖 / シアリルルイスA |
Research Abstract |
癌細胞が転移するための重要なステップである癌細胞と内皮細胞との接着に着目し、内皮細胞上に発現するE-セレクチンとそのリガンドで、癌細胞上に発現される糖鎖抗原シアリルルイスA(sLe^a)が口腔扁平上皮癌のリンパ節転移と相関することを免疫組織学的に見い出した。 次に、マウスによる癌転移実験モデルを用いたin vivoの実験においてsLe^aの関与を証明すること試みた。 (1)FACSにて口腔扁平上皮細胞株8種のsLe^aおよびシアリルルイスX(sLe_x)の発現の解析を行うと、sLe^xは全ての細胞株において軽度の発現が認めらたが、sLe^aは2株において高度発現が認められたのみで、他の細胞株では全く発現が認められなかった。 (2)sLe^a陽性またはsLe^a陰性の8株をSCIDマウスの尾静脈から細胞数5×10^5を注射し、4週間後に屠殺して肺への転移を調べた。sLe^aを発現していない6株は肺に転移巣を形成しなかったが、sLe^aを高度に発現していた2株は共に90%の頻度で肺に転移していた。 (3)この2株をsLe^xおよびsLe^aの中和抗体でそれぞれ処理した後、SCIDマウスの尾静脈から注射し再度肺への転移を調べると、sLe^xの中和抗体で処理したマウスでは肺への転移を抑制できなかったが、sLe^aの中和抗体で処理した場合は、それぞれ転移頻度は40%と0%に低下していた。 現在、癌細胞がsLe^aを発現する原因として合成酵素の発現とその抑制効果をin vitroの実験系にて証明することを試ている。 (1)癌細胞におけるフコース転移酵素およびシアリル転移酵素の発現を、ノーザンブロット法にて解析している。 (2)フコース転移酵素およびシアリル転移酵素のアンチセンスヌクレオチドを作成し、癌細胞に導入し、癌細胞の血管内皮細胞(HUVEC)との接着実験を試みている。 以上のことから、口腔癌の転移にsLe^aは重要であり、sLe^aを効率よく抑制する方法を現在も解析中である。
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