Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
当講座では、星状神経節相当部・乳様突起部に低出力レーザーを照射し、神経麻痺の改善を臨床的に認めており、臨床効果を数量的評価し比較検討することは、神経麻痺に対する低力レーザー治療効果の客観的評価に必須であり本研究を計画しこれまでに、神経麻痺疾患患者、特に下唇知覚麻痺患者を対象とし、知覚低下の程度を知るうえで認識閾値、痺痛域値の診査を当科で考案したVAS(Visual Analogue Scale)スケールとSW知覚テストを用いて評価を試みた.その結果、臨床的には70%以上の患者において改善が見られた.しかし、これらの評価を再検討してみると、疾患患者の統一性、画一性、個体差、環境因子、等々様々な因子が複雑に絡み合っているためにその評価において慎重な統計的評価の必要性が生じ、評価基準を確立するには今後さらなる症例の加算と検討の追加が必須と感じた.さらに、われわれは低出力レーザーの硬組織(特に歯)形成に対する影響を検討することを計画し、第一段階としてまずマウス歯胚へのレーザー照射の影響を観察し、RT-PCR法及び、組織学的観察で検討した。結果、照射群においては、第1、第2臼歯ともにamelogenin、DSPPのm-RNAの弱い発現をみた。また、組織学的所見では、照射群で歯胚発育の遅延が認められた。今後も本研究の継続とさらに他種のレーザー装置による実験系を考案しており、継続してさらなる検討を加えていく予定である.