Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
昨年度の実験から,さらに対照群を増やし,下記の4群間において保存後の歯根膜活性を比較した. 【資料】口腔外科医が抜去した8〓8を,患者に本研究の主旨を充分説明し同意を得た後実験に供した.そして無作為に,(1)抜去直後のもの10本(2)-80℃にて3ヶ月凍結保存をしたもの10本(3)三次元培養を応用し3ヶ月保存を行なったもの10本(4)キャリアー材を使用せずに培養液中に3ヶ月保存したもの10本の4群に分けた. 【実験方法】1)(2)凍結保存群(3)三次元培養保存群(4)三次元培養保存対照群において,トルイジンブルーにて染色.頬,舌,近,遠心面に残存する歯根膜面積を計測し,(1)抜去直後群と比較した. 2)凍結保存群,三次元培養保存群,三次元培養対照群に対してMTT assayを行ない,各群における歯根膜細胞のviabilityを比較した. 3)歯根周辺のセルロースビーズ1g中のDNA量を定量した.なお,この実験の対照として抜去歯を植立せずに培養液中に3ヶ月保存したセルロースビーズ1gを用いた. 【結果】1)歯根膜/歯根の面積比の平均は,抜去直後群50.4%,凍結保存群49.4%,三次元培養保存群50.8%,三次元培養対照群46.8%と各群の間に有意な差は見られなかった. 2)三次元培養保存群の方が凍結保存群,三次元培養対照群に比べ,有意に高いviabilityを示した. 3)歯根周辺のセルロースビーズ1g中に平均2.1μgのDNAが定量された.抜去歯を植立しなかった対照のセルロースビーズは測定誤差範囲内であった. 【結論】三次元培養による自家移植用抜去歯の保存方法は,3ヶ月の保存期間において歯根膜の脱離・溶解もなく,歯根膜細胞は良好なviabilityを示した. さらに,セルロースビーズは,抜去歯の植立を容易にするばかりでなく,歯根膜細胞の浸潤・増殖を可能にするキャリアー材として有効であることが示唆された.
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