Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,歯根膜線維芽細胞(PDL)上に発現するHLAクラスII分子のレセプター分子として機能することの可能性およびそれら分子の役割を明らかにすることにある。その第一歩として,PDLを抗HLAクラスII抗体で刺激することにより,PDLがIL-8,IL-6,MCP-1およびRANTESなどのサイトカインを産生することが明らかとなった。 本年度は,HLAクラスII分子-ペプチド-T細胞レセプターの複合体形成が,PDLからのサイトカイン産生を誘導するか否かを明らかにするために,PDLとエメチン処理を行なうことによって新生タンパク質の合成を阻害した活性化T細胞とを共培養する系を確立した。この系において,HLA拘束性にも留意するために,T細胞はHLA-DRB1^*1501拘束性に特定のアミノ酸配列を有するペプチドを認識するThOクローン(HT8.3)を用い,さらにPDLは,拘束性DR分子であるDRB1^*1501を有する人および有さない人のそれぞれから分離培養したものを用いた。 その結果以下の成果を得ることができた。 1拘束性DR分子を発現するPDLは,抗原ペプチドを提示させた後にHT8.3と共培養を行なうことによってIL-8,IL-6,MCP-1およびRANTESを産生した。しかし,拘束性DR分子を発現していないPDLにおいて,それらサイトカインの産生は皆無であるか,拘束性DR分子を発現するPDLに比べ極めて低いものであった。 2抗原ペプチドを提示させない場合,拘束性DR分子を発現する・しないに関わらず,PDLはサイトカインを産生しなかった。 以上の結果から,PDLに発現するHLA-DR分子は,ペプチド-T細胞レセプターと複合体を形成することによって,細胞がサイトカインを産生する際のレセプター分子となり得ることが明らかとなった。
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