高機能性カルバニオンの創製とその特性を利用した新反応の開発
Project/Area Number |
11771383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
新藤 充 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40226345)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | イノラートアニオン / タンデム反応 / 機能性カルバニオン / 四置換オレフィン / 立体電子効果 / ナフタレン / ディックマン反応 / イノラート / 立体選択的反応 / オレフィン / シクロアルケノン / ディックマン縮合 |
Research Abstract |
イノラートアニオンはエノラートの二重結合を三重結合に置き換えた未開拓機能性カルバニオンである。我々は既にエステルジアニオンの開裂を鍵反応とするイノラートの新規簡便合成法の開発に成功している。本年度は昨年度に引き続き、イノラートアニオンを用いた新反応の開発を目指した。 (1)ケトンの高立体選択的オレフィン化反応による四置換アルケンの合成 イノラートアニオンとケトンを室温で反応させるとβ-ラクトンエノラートが生成しこれが速やかに開環して四置換オレフィンを与えることを既に昨年度見出している。今年度はその一般性を検証するために様々なケトンとの反応を試みた。その結果、アリールアルキルケトンでは一般的に高い選択性が得られることが判明した。またパラ置換ベンゾフェノンでも高い立体選択性で四置換オレフィンを与えることを見出した。パラ位置換基の立体電子効果のみで最高6対1の選択性でオレフィンを得たことは驚愕に値する。 (2)タンデム型[2+2]環化付加-ディックマン反応による多置換ナフタレンのワンポット合成 イノラートとケトエステルとを反応させると表記タンデム反応が進行し二環性ラクトンが生成する。これを脱炭酸させると二置換シクロアルケノンが高収率で得られることを昨年度見出した。今年度、本反応の応用として2-アシルーフェニル酢酸エステルを基質としてイノラートとの反応を行ったところ、予想通りタンデム反応が進行し、更に後処理中に脱炭酸及びエノール化が進行し一気に3,4-二置換ナフトールが高収率で得られた。本反応ではtert-ブチル基のような立体的に嵩高い置換基を有するナフタレンや四置換ナフタレンの合成も可能である。この様な連続した置換基を持つナフタレンの合成は従来法では多段階を要しそれも容易ではないことから本ナフタレン合成法は極めて有用であると考えられる。更に特筆すべき点は立体制御ユニットとして有用なビナフチル化合物も定量的に得られた点である。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)