Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は、その構造上の特色及び生理活性に関して大いに興味が持たれるα,α-二置換-α-アミノ酸を、エノレートを経由する従来の合成法とは全く異なり、ラジカルの1,5-シフトを鍵反応とする新規合成法を開発することを目的とする。平成12年度期間中に得られた成果を以下に列挙する。 1.3-(tert-butoxycarbonyl)-N-(o-iodophenyl)-2,2,N-trimethyloxazolidine-4-carboxamideのラジカル環化反応:L-セリンから6行程を経て合成した3-(tert-butoxycarbonyl)-N-(o-iodophenyl)-2,2,N-trimethyloxazolidine-4-carboxamideをBu_3SnH-ACN条件下で処理すると、3'-(tert-butoxycarbonyl)-1,2',2'-trimethyl-2-oxo-2,3-dihydro-1H-indole-3-spiro-4'-oxazolidine(31%),3'-(tert-butoxycarbonyl)-1,2',2'-trimethyl-2-oxo-2,3,3a,6-tetrahydro-1H-indole-3-spiro-4'-oxazolidine (9%),tetrahydro体の6位でのdimer(41%),及び還元体3-(tert-butoxycarbonyl)-2,2,N-trimethyl-N-phenyl-oxazolidine-4-carboxamide(12%)が得られた。3種の環化成績体は、初めに生じたアリールラジカルから水素原子の1,5-シフトを経由してoxazolidine環の4位に新たにカルボニル-α-ラジカルが生成し、これが芳香環を攻撃して生成したものである。還元体はキラルHPLC分析により37%eeであることが判明し、また、インドロン環化体の光学活性は消失していた。本結果から、oxazolidine環4位へ96%の効率でラジカル移動が進行し、生成したラジカルはエピメリ化を起こし光学活性が失われることが判明した。これはラジカルがカルボニル基のα位にありラジカル炭素の反転が速やかに進行するためと示唆される。 2.3-(tert-butoxycarbonyl)-N-(o-iodophenyl)-2,2-dimethyloxazolidine-4-carboxamide及び3-(tert-butoxycarbonyl)-N-(o-iodophenyl)-N-methoxycarbonyl-2,2-dimethyloxazolidine-4-carboxamideのラジカル反応:カルボキサミド窒素原子が二置換及びアルキル基の代りにアシル基の置換した化合物のラジカル反応は、+還元成績体のみがそれぞれ69%及び63%で得られた。また、還元体の光学活性は保持されていた。本結果からこれらの化合物ではラジカル1,5-シフトは全く進行しないことが判明した。以上の結果は本ラジカル移動(1,5-シフト)反応は窒素原子上の置換様式に由来するアミド基のコンフォーメーションに大きく左右されることが判明した。
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