Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
基質の検討を行う目的で、大腸菌のpET systemにより、TmlpAおよびTmlpBの大腸菌における大量発現系の構築を試みた。これら蛋白は膜蛋白の10%発現していた。大腸菌膜蛋白のSDS電気泳動をPVDF膜にブロッティングし、N末アミノ酸シークエンスを行い、目的とする蛋白であることを確認している。この組み換え体蛋白は、dodecyl-maltosideには可溶化されず、pentadecafluorooctanoic acidに可溶化されることを見いだした。これら界面活性剤を組み合わせることにより、90%以上の部分精製が可能となった。また、native PAGEにより分離したTmlpはATPase活性を有していた。これより、これら界面活性剤用いてTmlpの活性を保持したまま膜から可溶化することが可能であることが明らかになった。更に、これら組み替え体にはHis Tag(ヒスチジン6個)付加してあり、Niカラムにより迅速に精製を行うことができるようにしてある。界面活性剤の組み合わせ可溶化及びNiカラム系を用いて、膜分画からの精製を試みる。精製後、リポソームへの再構成を行った。リポソーム再構成系を用いて、輸送基質の検索を行った。様々な脂溶性薬物(カチオン、アニオン、電気的中性)、水溶性薬物について検討したが、基質の同定にはいたらなかった。大腸菌での発現系では、活性を保持していない可能性も考えられる。そこで、高度好熱菌においての発現プラスミッドを用いて発現の構築を検討した。現在、その発現系を用いて、基質の同定を試みている。現在のところ、50種類の薬物を検討したが、どれも基質ではない結果となった。
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