in vivo ESR画像化法による炎症モデルでの酸化ストレス惹起の速度解析
Project/Area Number |
11771412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
市川 和洋 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (10271115)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 生体計測電子スピン共鳴法 / 遺伝子組換え動物 / 生体ラジカル / 炎症モデル |
Research Abstract |
活性酸素やフリーラジカル生成は傷害性と同時に生体防御適応機構において重要な役割も果たしており、速度論的知見は病態解析に必須である。生体内フリーラジカル反応の解析には、in vivo電子スピン共鳴測定装置(in vivo ESR)が有用であり、我々は現在までに脳虚血再灌流、糖尿病、関節リュウマチなどの病態モデルで酸化ストレスの関与を報告している。本研究では、ESR画像化による病態モデルでの酸化ストレスの速度解析を目的とした。 第一年度では、ESR画像化法アルゴリズムがin vivo酸化ストレス画像化に有効であることを示し、また抗酸化酵素遺伝子組換えマウスを病態モデルへ適用する初段階として、各組織(脳、心臓、肺、肝、腎)での抗酸化酵素発現量を定量した。その結果、当教室で飼育しているCu,Zn-SOD遺伝子組換えマウスのCu,Zn-SOD活性は脳、心臓、肺、肝で有意に上昇し、特に脳、心臓、肺で顕著であった。一方、GPxあるいはCatalaseには顕著な変化は認められなかった。またGPx1遺伝子組換えマウスでは特に脳で顕著なGPx1活性上昇が見られた。 そこで、本年度は初年度の検討を踏まえGPx1遺伝子組換えマウスについて更に検討を加えるとともに、本画像化手法をin vivo病態モデルに適用した。GPx1遺伝子組換えマウスの脳、肝、腎においては、Catalase,GSH量等の抗酸化酵素・抗酸化物質量が変動していた。しかし、各臓器においては酸化ストレスマーカーであるTBARs値に非組換えマウスとの間に有意差は認められなかった。従って、生理的条件下では、GPx1過剰発現は酸化ストレスの増減に影響しないことが示唆された。一方、レドックスプローブとして、ESR画像化によるレドックス速度解析の結果から脳への顕著な滞留性が認められる細胞内滞留性プローブと細胞内非滞留性プローブを併用したところ、細胞内滞留性プローブにおいてのみGPx1遺伝子組換えマウス頭部において消失速度が亢進したことから、GPx1過剰発現が脳細胞内レドックスを変化させた可能性が示唆された。また炎症モデルとしてオゾン曝露による肺部における生体酸化ストレスを検討したところ、浮腫形成、脂質過酸化の進行を伴い生体酸化ストレス惹起が認められた。オゾン暴露酸化ストレス機序としては、オゾンガス直接、内皮細胞等由来xanthine oxidase系あるいは炎症性細胞浸潤による間接的なストレスが考えられる。免疫組織染色では炎症性細胞の浸潤は軽微であったことから、初期においては炎症性細胞の関与は低いことが示唆された。上記酸化ストレス機序のについては今後更に検討が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)