睡眠発現に密接に関連するウリジン受容体の構造と機能
Project/Area Number |
11771455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
木村 敏行 北陸大学, 薬学部, 講師 (20234370)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ウリジン / ウリジン受容体 / 睡眠 / シナプス膜 / レセプター / ヌクレオシド / N3-フェナシルウリジン / 中枢抑制作用 / 精製 |
Research Abstract |
本科学研究費補助金により以下の知見を得た。 我々はこれまでに、ウリジンN^3位置換体が催眠作用を有し、その発現機構が既知の中枢系受容体ではなくウリジン誘導体に特異的な新規受容体を介していることを報告してきた。今回、5-ブロモウリジンのN^3位置換体を合成し薬理作用を検討した結果、マウス2.0μmol/mouseの脳内投与でアルキル(メチル-ブチル)、アリル、フェナシル、メチルベンジル、メトキシフェナシル体には催眠作用が認められないものの、ベンジル体で94分の催眠作用を示した。また、ペントバルビタールとの相互作用においては、N^3-ベンジル及びN^3-(m-メトキシフェナシル)-体にコントロールと比較して3.0及び3.5倍の増強作用が認められた。さらに、各異性体間で薬理作用の強さが異なることから、作用発現に対してN^3位置換基並びに5位のブロムによる影響があることが示唆された。また、4-チオウリジンのN^3-位置換体においてもα-フェネチル、ベンジル、フェナシル体が催眠作用を有し、ピリミジン環4位は酸素の代わりに硫黄原子も有効であるが、中枢抑制作用は減弱することが明らかとなった。本結果は、核酸誘導体の有する新たな中枢抑制作用としてこれら誘導体が医薬品として開発可能であることを示すものである。一方、受容体の精製は、ウシ視床より以下のように行った。まず、常法に従いシナプス膜を調製、CHAPSで4℃1時間可溶化、48000×gで20分間遠心分離した。可溶化画分はSepharose 4Bカラムに付し0.1%CHAPS含有50mM Tris-HCl緩衝液(pH7.4)で溶出した。続いて液体等電点電気泳動を行い分子量29kdのほぼ単一な蛋白質を分離・精製した。本受容体蛋白質は[^3H]N^3-フェナシルウリジンと結合し、その結合は各種ウリジン誘導体により阻害された。MALDI/TOFMSの結果、N末端アミノ酸は修飾されており、既存のタンパク質とは異なる新規の受容体であることが明らかとなった。なお、誘導体の結合阻害度は催眠作用と相関性が確認されていることより、本ウリジン受容体が催眠機構に関与していることが考察された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)