Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
代表者の所属する研究グループは,グリア細胞の機能解明を通して脳機能を追究する目的で,脳内の主要グリア細胞であるアストロサイトの病態的意義に関して一連の研究を行ってきた.その過程において,アストロサイトにおけるNa^+-Ca^<2+>交換系の存在を見いだし(Glia,1994),また,インビトロ虚血-再潅流モデルの一つであるCa^<2+>再潅流において,本交換系を介したCa^<2+>過流入より遅発性グリア細胞死が発現すること,その発現に活性酸素ならびにアポトーシスが関与することを見いだした(Eur.J.Neurosci.,1996,1999).本年度は,これらの成果を基にし,Ca^<2+>再潅流ならびに活性酸素によるグリア細胞のアポトーシスのシグナルカスケードならびにその制御機構についてインビトロの系で生化学的手法を用いて検討した.シグナルカスケードについては,Ca^<2+>再潅流あるいは活性酸素曝露により誘導されるアポトーシスにミトコンドリアからのチトクロムc遊離とこれに引き続くカスパーゼ3の活性化が関与することを明らかとした.また,カテプシンBおよびDが本カスパーゼ活性化の調節因子として機能することを見いだした.一方,制御機構については,Ca^<2+>再潅流あるいは活性酸素曝露により認められるアポトーシスに対して,神経成長因子が保護作用を示すことを見いだし,MAPキナーゼの活性化がその重要な下流シグナルの一つであることを明らかとした.また,この過程において,脳機能改善薬T-588の作用発現にMAPキナーゼの活性化が,CV-2619の作用発現に神経成長因子の産生促進が密接に関与することを明らかとした.現在上記シグナル間の相互調節について分子生物学的手法を用いて解析している.本年度の成果については,学術会議(第97回日本薬理学会近畿部会など)ならびに雑誌論文(Eur.J.Pharmacol.,2000)にて発表した.
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