Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究は、免疫細胞への標的素子と抗原蛋白を遺伝子工学的に結合した融合蛋白抗原を用いることで、免疫細胞間のシグナル遮断ならびに抗原の免疫細胞内への取り込み効率化を実現し,ワクチン開発を目指した抗原特異的免疫応答の誘導制御を行うことを目的としている。免疫細胞への標的素子として、我々がすでにペプチドライブラリより単離したT細胞の表面レセプターであるCTLA4のミミックモチーフF2,F6の抗原蛋白(g3蛋白,リゾチーム)との融合タンパク質を作製し、この分子による抗原提示細胞への標的能,ならびにマウスを使った免疫誘導能を検討した。F2融合抗原による抗原提示細胞上のCD80分子への結合能は,ELISA,FACSでは,明確に確認できなかったが,融合抗原のビーズ上への集積化によって,結合能が確認された。そこで,F2融合抗原による免疫誘導を,F2をナノスフェア上に結合,集積化させたコンジュゲートを用いて検討した結果,抗原のみに比べ,格段に高い抗体産生能が示された。抗原提示細胞への抗原の標的化による効率的免疫誘導をさらに検討するため,CD28,CTLA4分子の細胞外ドメインと抗原(ヒト抗体Fc部位)を融合した遺伝子の発現ベクターを作製し,DNAワクチン用ベクターとして経皮投与を行い,血清中の抗体産生をマウスを用いて解析した。その結果,抗原のみ,CD28-抗原,CTLA4-抗原発現ベクターのいずれも,IgM抗体の産生が見られたものの,IgGの産生が見られたのはCTLA4-融合蛋白発現ベクターのみであった。以上の結果は,ワクチン開発や免疫反応の制御を目指した効率的な抗体産生誘導を行うには,免疫細胞への標的素子の選択並びに素子と抗原との融合が有効であることを示しており,現在,より精密な免疫制御を達成するため,免疫細胞への新規標的素子を単鎖Fvファージライブラリを用いて開発中である。
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