Project/Area Number |
11771477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医薬分子機能学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
三浦 ゆり (財)東京都老人総合研究所, アイソトープ部門, 研究員 (00216574)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 酸化的ストレス / 老化 / 細胞応答 / 放射線 / 活性酸素 / 脳 / グリア細胞 / 適応応答 / 細胞増殖 / 低線量 |
Research Abstract |
本年度は、前年度報告した若齢ラットの培養グリア細胞における低線量放射線適応応答の分子機構を明らかにするため、種々の情報伝達因子を欠損した細胞を用いて検討を行った。まず、DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)に変異を持つスキッドマウス(CB-17,scid/jcl)と正常なDNA-PK活性を持つCB-17マウスのグリア細胞を調べたところ、CB-17マウスの細胞では放射線適応応答が認められたが、スキッドマウスの細胞では認められなかった。また、Ataxia-Telangiectasia Mutated(ATM)をノックアウトしたマウスのグリア細胞とそのWild Typeのマウス(129sv)の細胞で同様の実験を行ったところ、wild typeのグリア細胞では認められる放射線適応応答が、ATMノックアウトマウスの細胞では認められなかった。以上の結果から、グリア細胞の細胞増殖における放射線適応応答には、DNA-PK及びATMタンパクが関与している可能性が示唆された。 また、放射線適応応答の機構を酵素レベルで解析するため、低線量放射線照射による抗酸化酵素の変動を調べた。その結果、MnSOD mRNAレベルは、若齢及び老齢ラットの細胞ともに低線量照射による有意な変動はなかった。また、その他の抗酸化酵素活性は、若齢ラットの細胞で、低線量照射により増加する傾向にあるものの有意な増加とは認められず、低線量放射線照射による抗酸化酵素の誘導がこの放射線適応応答の直接的な原因であるとは考えにくいことが明らかになった。 以上の結果から、本研究では培養グリア細胞で細胞増殖を指標とした放射線適応応答が認められること、またこの細胞応答は老化により影響を受けることを明らかにした。また、放射線適応応答の機構としてプロテインキナーゼC、DNA-PK及びATMタンパクが関与している可能性が示唆された。
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