Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
1.調査・解析の実施と神経症の水準の群別化 対照群については,平成12年9〜10月に東北地方の県庁所在地にある小学校2校の協力を得て,質問紙調査を実施した。対象者は小学5,6年生の児童およびその父親213組であり,有効回答は198組から得られた。神経症群については,平成11〜12年に大学附属病院小児科外来で治療を受けた神経症患児とその父親10組に調査を依頼して8組から有効回答を得た。対照群の子どもをGHQ28日本版によって神経症水準群と非神経症群に分類したところ,前者は64名(37.0%)であり,後者は109名(63.0%)であった。 2.非神経症群,神経症水準群および神経症群の比較検討 (1)父親自身が父親から受けた養護的養育態度は,非神経症群,神経症水準群,神経症群の順に弱くなっており,非神経症群,神経症水準群間では差が有意であったが,神経症水準群,神経症群間では有意ではなかった。これらから,神経症患児では患児の父親が自身の父親から受けた養護的養育態度が弱いことが特徴であることが明らかになった。 (2)父親の子どもに対する養育態度の自己評価,および子どもが受けている父親による養育態度の特徴と父親自身が父親から受けた養育態度の関連を3群間で比較した。非神経症群では自身の父親から受けた養育態度が養護的で非干渉的である父親は,子どもへの養育態度がより望ましいパターンを示しており,父性にかかわる養育態度の世代間伝播が明らかであった。神経症水準群および神経症群では,自身の父親から受けた養護的養育態度が弱いにもかかわらず子どもへの養育態度が比較的良いという矛盾したパターンを示しており,これが神経症水準群および神経症群の特異的な養育態度の世代間伝播であることが明確になった。
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