Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
筆者は,「高血圧に対する運動療法の効果が生活の質」(quality of life:QoL)に対して与える影響は大きい」という仮説の検証に迫るべく,運動習慣のない35〜57歳の本態性高血圧女性17名を対象に,4ヵ月間の運動の効果を詳細に検討した.検討内容は,血圧,血清脂質,乳酸性閾値(酸素摂取量,心拍数),形態,身体組成(脂肪量,除脂肪組織量),体力(筋力,敏捷性,柔軟性,平衡性,パワー),質問紙調査(生活満足度,生活における活動能力,食生活,社会環境,ライフスタイル)などであった.また,運動プログラム内容は無酸素性代謝閾値水準あたりの運動強度での全身運動(主観的運動強度や心拍数をモニタ)とし,平均的な運動時間は約90分/回(ストレッチや柔軟体操などの準備運動,整理運動を含む),頻度は約3日/週であった. その結果,運動不足状態の高血圧者が適切な院内運動療法プログラムに参加するとともに自己管理のもとで運動を実施すれば,降圧効果が得られ,総合的な健康度・体力水準も改善することが明らかになった.また,運動療法がもたらす効果は,QoLの改善にも認められたことから,運動療法の有用性を新たな視点から明らかにした.高血圧に対する運動療法の効果をQoLの視点からも評価できれば,高血圧の再発予防,進展予防に向けたライフスタイル改善の手がかりを提供することが可能となり,その意義は大きいといえる.
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