細胞状食品の嗜好性に及ぼす細胞内デンプンの糊化および老化の影響
Project/Area Number |
11780103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食生活
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Research Institution | Heian Jogakuin (St. Agnes') College |
Principal Investigator |
伊藤 知子 平安女学院短期大学, 生活学科, 講師 (70238608)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 細胞内デンプン / 糊化 / 老化 / DSC / 水分 / 細胞壁 |
Research Abstract |
細胞状食品の品質に影響を与える因子の一つとして、細胞の中に存在するデンプン(細胞内デンプン)の糊化状態があげられる。細胞状食品の品質を考える上で、細胞内デンプンの熱的挙動を明らかにすることを目的とし、以下の成果を得た。 1.細胞状食品の保存による物性変化の測定 モデル細胞状食品の物性を測定したところ、溶解度と密接な関連があることが示唆された。すなわち、溶解度の高い細胞試料ほど、保存による物性の変化が大きかった。細胞内デンプンの溶解度は、細胞外に溶出したデンプンの量で表され、細胞壁の性状(溶解デンプンが通過できる程度の空隙が存在するかどうか)によって異なることが明らかになっている。保存による物性変化は、細胞内で糊化したデンプンの状態変化ではなく、この溶出したデンプンの老化状態に主として影響を受けるのではないかと考えられた。 また、前年度の結果から、豆類の場合、細胞内デンプンの老化の程度は単離デンプンと比較して著しく低かったことからも、細胞内に存在したままで糊化した細胞内デンプンの物性の変化は少ないと考えられ、モデル細胞状食品の物性への影響は少ないと考えられた。 2.調味料主成分が細胞内デンプンの熱的挙動に与える影響 各種調味料に主成分(塩化ナトリウム、スクロース、エタノールなど)が細胞内デンプンの熱的挙動、主として糊化に与える影響について検討を行った。 細胞壁に溶解デンプンが通過できる程度の空隙が存在するイモ類の場合、調味料の主成分を添加することにより、特に溶解度が抑制または促進するといった影響を受けたが、強靭な細胞壁を有する豆類の場合は、大きな影響は見られなかった。調味料主成分が細胞内デンプンの糊化に与える影響は、細胞内水分量の違いによって異なると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)