Project/Area Number |
11780142
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
堀内 かおる 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (00252841)
|
Project Period (FY) |
1999 – 2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ジェンダー / 授業研究 / PSHE / カリキュラム / 家庭科 / Personal Social Education |
Research Abstract |
今年度の研究結果から、以下の2点が明らかになった。 1.1999年9月〜2000年3月にかけて、小学校第6学年の家庭科の時間において、家庭科教師(授業者)によって21回にわたって行われたジェンダーの授業実践記録をもとに、子どもたちの学びのプロセスについて検討した。授業は、1.子どもたち自身によるジェンダーへの気づき、2.ジェンダーの調査と発表、3.ジェンダーをのりこえる表現、の三つに大別される段階から構成され、各段階において、ジェンダーについての独自の見解や体験を持つ他者との出会いが設定された。いずれの段階も、子どもたちのジェンダーへの気づきを喚起する学習活動を基盤としていた。授業実践結果から、ジェンダーの授業は子どもたち自身のジェンダーへの気づきを促したことは明白であった。しかし、生活に深く根ざしているジェンダーの問題を知ったために、諦念を抱いてしまう子どもも見られ、今回の授業では取り上げられなかった社会的・歴史的につくられてきたジェンダーへの理解を促すような授業を仕組んでいくことの必要性が確認された。ジェンダーがどのようにして社会的、文化的、歴史的に構築されてきたのかを示し、今日こ至るまでに、社会や人々の意識がジェンダーに関連してどのように変化してきたのかを子どもたちに伝えることの重要性が示唆された。 2.英国の総合的な学習領域であるPSHE(Personal Social Health Education)に関する資料の分析から、PSHEが生徒自身の自己認識を促す教育として示唆に富んでいることが確認され、学習の中で他者とのコミュニケーションを通して自分自身の見解を表明するような参加型の学習方法の重要性が指摘された。 以上の結果をふまえ、特に授業実践の家庭で見出された児童のジェンダー認識のプロセスに留意したカリキュラムの構築が課題である。
|