人間の視覚システムにおける両眼立体視モデルの提案と実現
Project/Area Number |
11780291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent informatics
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
野村 厚志 山口県立大学, 国際文化学部, 助教授 (40264973)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 視覚モデル / 奥行き知覚 / ランダムドットステレオ画像 / 反応・拡散モデル / FitzHugh-Nagumoモデル / 神経回路網 / Turing不安定条件 / 自己組織化 / FitzHugh-Nagumaoモデル / Turing 不安定条件 |
Research Abstract |
本研究では、人間の視覚システムにおけるステレオ視による奥行き検出機能を、生物の神経回路網における信号の伝播の様子をモデル化したFitzHugh-Nagumo型の反応・拡散方程式を用いて実現することを目的とした。但し、ランダムドットステレオと呼ばれる全くランダムなドットのパターンのみからなる物体を捉えたステレオ画像を対象とした。ステレオ視では、2枚の画像間でのパターンの対応関係を探索することにより、視差すなわち奥行きの情報を抽出することができる。ここでは、画像のドットを0と1からなる論理値と考え、2枚の画像間で、XOR論理演算を施すことにより、対応関係の探索の問題を領域分割の問題に変換した。一般に画像の領域分割の問題は、拡散処理+2次微分のゼロ交差を求める問題として捉えられるが、この場合、領域の微細な構造が保持されず問題とされていた。ここでは、領域分割の問題に、非線形の反応・拡散方程式をTuring不安定条件と呼ばれる特殊な条件の下で適用することにより、従来の領域分割法の問題点を克服可能な手法を提案し、ランダムドットステレオ画像からの奥行き検出モデルとした。さらに、人間の視覚システムが示す明るさ知覚におけるマッハバンド効果に類似の錯視現象が、奥行き知覚においても認められるが、提案したモデルによって、その錯視現象を説明可能であることが示された。加えて、反応・拡散方程式の拡散係数に異方性を設定することにより、奥行き知覚における錯視現象の異方性をも説明可能であることが示唆された。本研究で扱った奥行き分布は、カメラの光軸に対して直交する平面のみとした。今後は、奥行きが連続的に変化するような面を持った物体に対しても提案モデルを適用し、その有効性を確認するとともに、生理学的な知見と提案モデルとの比較検討を行うことが課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)