Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究では、防災研究に文化人類学的視点を導入し,被災者の生活のあらゆる事項について,被災者や災害対応者の対応行動の記録や資料の実証的な分析を通して,災害過程を構成する基本要素の抽出とそれぞれの基本要素間のシステム論的記述をおこなう.そこで平成11年度において阪神・淡路大震災の被災者・災害対応従事者へのインタビュー調査を実施しデータベース化した.次にその内容を文化人類学で人間社会・文化を分析する際に標準的に用いられる体系である文化項目分類を用いて分析し,被災者の生活復興過程における災害関連の文化要素の抽出をおこなった.また,阪神・淡路震災記念協会に保管されている震災関連資料(チラシ,掲示物等)の一部をデジタル化し,文化項目分類を用いて分類をおこない,これら震災関連資料が,統一的な基準で分類可能であることを明らかにした.平成12年度においては,構築された災害関連項目のデータベースを用いて,防災研究の専門的視点,および文化人類学的視点から,各項目間の関連性の検討と防災シソーラス構築に関する基礎的研究をおこなった.まず,時間フェーズごとに出現する項目の頻度とその順位付けの分析によって,阪神・淡路大震災発災直後から現在に至るまでの過程を,時系列的に同定する手法を開発した.この手法を用いて分析をおこない,地域や被災者のライフステージによって異なるさまざまな災害過程のシステム論な記述を可能にした.次に,これらの分析で得られた項目間の順序関係や時間フェーズ関係を整理し,防災シソーラス構築のための基礎的な枠組みの提案をおこなった.
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