Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
(1)排水処理リアクター・システムは,粒状嫌気性微生物集塊を増殖させるメタン発酵槽(前段処理)を主体に構成し,100〜300mgBOD/Lの都市下水処理を対象とした。メタン発酵槽のみでの排水処理能力は,温度制御フリーの環境下(嫌気性反応槽温度は,夏季で30℃,冬季で10℃程度であった)で,排水処理時間4時間で,70mgBOD/L程度の処理水質を得た。 (2)排水処理システム全体は,メタン発酵槽の後段に,処理水の水質をポリッシュアップする装置(酸素吸収能の高い構造の好気性ろ床)を付加して構成した。この結果,システムの排水処理能力は,冬季に反応槽温度10℃程度の低温環境下で,全排水処理時間6時間で,20mgBOD/L程度の処理水質を得た。このことから,当該廃水処理システムは,実都市下水に適用可能であることが分かった(当該廃水処理システムは,エアレーション無し,余剰汚泥の引き抜き無しの運転条件で,従来からの都市下水処理法である標準活性汚泥法と処理時間,水質ともに同等の能力を発揮できた)。 (3)水圏環境保全のための栄養塩類(窒素,リン)の除去について本システムを検討した結果,リンに関しては10〜20%リン除去可能であった。また,窒素については,活性試験により脱窒能力は充分に認められたことから,硝化菌の増殖が進むことで窒素除去が可能になることが分かった。ただし,冬季反応槽温度が10℃程度でも硝化反応は発現していた。 (4)反応槽内微生物の生態解析から,硫黄還元・酸化微生物が排水処理に寄与する割合が高いことが分かった。メタン生成細菌は,流入硫酸塩濃度が50mgS/Lと高かったことから,反応器運転6ヶ月程度で硫黄還元菌に駆逐された。 (5)今後,当該システムをスケール・アップし,長期の実証試験を行うことで実用化可能であると考えられた。
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