Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
研究代表者は,平成12年度において超分子素材としてシクロデキストリン(CD)を用い,CDに種々の機能性残基を導入した化合物を合成し,そのゲスト包接挙動を分光法ならびに電気化学法により評価した. 電子欠乏性残基としてアントラキノン誘導体を導入したβ-およびγ-CD(1,2)のゲスト包接に伴う円二色性スペクトル解析から,1はボルネオールやメントールの両光学異性体を同程度にしか結合しないが,2は約2〜3倍の結合定数比でこれらの光学異性を認識することを明らかにした.光学異性識別能が認められなかった1についても,表面修飾グラッシーカーボン電極を用いサイクリックボルタモグラムじょうでは共存ゲスト分ゲスト分子の光学異性体間で大きな標準酸化還元電位の違いが認められた.この現象については現在さらなる検討を加えている段階であるが,電極表面を修飾することで,電極上に存在する種々の官能基とゲスト分子との相互作用が1の標準酸化還元電位に影響を与えたものと推察している.また,1,2を用い,電子過剰性分子であるトリプトファン誘導体(Trp,Boc-Trp)との電荷移動錯体形成能を調べたところ,1はTrpの,2はBoc-Trpの光学異性を識別し,かつ異なる波長域に電荷移動吸収体を与えた. 電子過剰性残基としてナフタレン誘導体を2残基導入したγ-CDでは,光学異性の識別には至らなかったものの.その蛍光スペクトルの変化より,種々の胆汁酸誘導体の異性体を明確に識別していることを明らかにした.また,ナフチルエチルアミンを修飾したβ-CDの分子内包接化合物のコンホメーションが修飾残基の光学異性を鋭敏に反映していていることと,ゲスト分子共存下での蛍光応答にゲスト分子の光学異性を反映した変化が認められたことを見いだした.
|