Project/Area Number |
11780438
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
金森 審子 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 研究員 (00261173)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | セレクチン / 細胞接着 / リガンド / シアル酸 / 修飾機構 / O-アセチル化 / 遺伝子単離 |
Research Abstract |
細胞接着分子セレクチンは、炎症やリンパ球のホーミング、悪性細胞の浸潤や転移に関与している。セレクチンとリガンド分子のシアリルLe^x、シアリルLe^a糖鎖との結合は、糖鎖のシアル酸残基の修飾により多大な影響を受ける。我々は、リガンド分子のセレクチン結合能不活性化をもたらす、シアル酸残基の新規な修飾構造(サイクリックシアル酸と表す)を、硫酸化シアリルLe^x上に見い出した。また、セレクチンリガンドのシアル酸残基のO-アセチル化の程度が低いと悪性細胞の転移能が高いとの報告がある。本研究では、シアル酸残基の修飾によるセレクチンを介した細胞接着活性調節機構の解明を、以下のように進めた。 まず、硫酸化サイクリックシアリルLe^xに特異的に反応するG159抗体を用いた発現クローニング法により、サイクリックシアル酸生成に携わる酵素、シアル酸シクラーゼの遺伝子単離を試みた。その結果、複数の遺伝子を共発現させて初めてG159抗原の発現が認められ、硫酸化サイクリックシアリルLe^xの発現には複数の因子の共存が必要なことが示唆された。現在、単離された遺伝子がコードする各タンパク質の同定を試み、それらの相互関係について検討を進めている。また、先に単離したシアル酸のO-アセチル化を促進する因子、アセチルコエンザイムAのトランスポーターの遺伝子の発現量と細胞接着の相関性を検討中である。さらに、これらの遺伝子の機能解析のため、ダイナミックフロー下で接着の強さを測定する、フローシステムを用いた接着実験系を確立した。すなわち、血管内の状況を再構築し、顕微鏡下で観察・録画して解析するシステムである。従来の単層細胞接着実験に較べて、より生体内に近い状態でセレクチンとリガンド分子の相互作用の強さを測定できるものであり、各遺伝子を遺伝子導入した培養細胞株のセレクチンを介した細胞接着能の詳細な検討が可能になった。
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