細胞接着の乳腺上皮細胞の増殖・分化における機能,その失調と乳癌の発症機構
Project/Area Number |
11780458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
勝部 孝則 放射線医学総合研究所, 第3研究グループ, 研究員 (10311375)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 細胞接着装置 / 上皮細胞 / 乳癌 / アクテン繊維 / cortactin / アクチン繊維 / ZO-1 / 細胞間シグナル伝達 |
Research Abstract |
癌遺伝子の候補EMS1遺伝子は,ヒト乳癌の15%で遺伝子増幅による発現の亢進がみられる。その産物はSrcチロシンキナーゼの基質cortactinのヒト相同タンパク質である。我々はショウジョウバエの解析から,cortactinが上皮細胞では細胞間接着装置で機能することを示す結果を得ている。細胞間接着は,細胞の増殖,分化をを制御する細胞間シグナル伝達にも関与する。cortactinの脱制御により細胞間接着の機能が損なわれることが,癌細胞の異常増殖,浸潤・転移に関与する可能性がある。これを検討するために,マウス乳腺上皮由来の培養細胞株HC11に,野生型および欠夫変異型cortactinの組み換え遺伝子を導入した。免疫染色法および蛍光タンパク質EYFPとの融合タンパク質の観察により,cortactinが細胞間接着部位に濃縮されることが判明した。予備的知見ながら,野性型cortactinを過剰に発現する細胞で運動性の上昇が示唆された。これらの結果は,ほ乳類の上皮細胞においてもcortactinが細胞間接着装置で機能し,その脱制御が癌細胞の浸潤・転移に関与する可能性を支持する。欠失変異型cortactinの解析から,細胞間接着部位への濃縮に,アクチン繊維結合に関わる37アミノ酸の反復領域が重要であることが示された。また新規の型を含め,この反復領域の異なるイソ型cortactinが少なくとも5種あることを見いだした。各イソ型はアクチン繊維との相互作用に違いがあり,それらの発現のバランスにより細胞間接着の機能が調節されている可能性が示唆される。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)