Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
これまでに我々は,出芽酵母のゴルジ体膜タンパク質Rer1pがゴルジ体に誤って輸送されてきたSec12pやSec71pなどの一群の小胞体膜タンパク質の膜貫通領域(TMD)を認識し,ゴルジ体から形成されるCOP I小胞を介して小胞体へと送り返す新たな分子選別装置であることを示してきた.本年度はまず,このSec12pのTMDにおけるアミノ酸配列について変異解析を行い,クロスリンク法によってRer1pによる認識に重要なモチーフの検索を行った.その結果,Rer1pとの相互作用には特定のアミノ酸配列というよりはむしろ,Sec12pのTMDにおける極性残基の存在が重要であることを突き止めた.また,Sec12pとは正反対のトポロジーを持つSec71pのTMDについても変異解析を行ったところ,この場合もやはり極性残基が重要であることが明らかとなった.これらのことから,Sec12pやSec71pのトポロジーにかかわらず,Rer1pはこれらのTMDにおける極性残基を認識し,結合していることが明らかとなった.また一方で,緑色蛍光タンパク質(GFP)とRer1pの融合タンパク質(GFP-Rer1p)を構築し,Rer1p自身のゴルジ体局在化に重要な領域について,詳細な解析を行った.その結果,Rer1pのカルボキシル(C)末端側細胞質領域におけるKKXXシグナル様配列とYIPLという配列がRer1pの機能と動態に重要であり,この配列に変異が入ると液胞へと輸送されてしまうことを見い出した.さらに,このC末端領域がCOP I複合体と相互作用すること,またCOPI複合体に欠損を持つ変異株ではGFP-Rer1pが液胞へと輸送されてしまうことなどから,Rer1pはゴルジ体-小胞体間,ゴルジ体槽板間をダイナミックにリサイクリングしながらゴルジ体に局在化しており,その動態にはRer1pのC末端領域を介したCOP I複合体の働きが重要であると結論した.
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