Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ニワトリ胚肢芽間充織は位置特異的な細胞親和性を有する。GPI-結合型膜蛋白質のEphrin-Aはその受容体であるEphA4と相互作用して,この親和性を調節すると考えられる。本研究では,四肢発生過程においてEphrin-A-EphA相互作用が果たす機能の解析を目指した。本年度はリガンドの一つ・Ephrin-A2に注目して肢芽での発現パターンや機能について検討し,以下の結果を得た。 1.免疫染色法によりEphrin-A2蛋白質の分布を調べた。Ephrin-A2は初期の肢芽では間充織全体で発現していたが,発生の進行に伴って肢芽先端部での発現が弱くなった。Ephrin-A2の発現低下領域はEphA4蛋白質の発現部位とよく一致しており,両者は相補的に発現していると考えられた。間充織における両者の相補的な発現は培養時においても維持されており,Ephrin-A2やEphA4の発現量は肢芽の近遠軸上の位置を反映することが示唆された。 2.Ephrin-A2の四肢発生過程における機能を検討するために,レトロウィルスベクターにEphrin-A2を組み込み,肢芽間充織に感染させ,Ephrin-A2を異所的に強制発現させた。その結果,Ephrin-A2を過剰に発現する細胞は肢芽の中で斑状に集合する様子が観察され,Ephrin-A2の過剰発現により細胞の性質が変化したと考えられた。Ephrin-A2の過剰発現細胞と正常細胞(Ephrin-A2低発現)を混合して培養したところ,過剰発現細胞が集合したことから,細胞の親和性はEphrin-A2の発現量によって変化することがわかった。Ephrin-A2過剰発現肢芽に由来する四肢には軟骨の部分的融合や重複が観察されたことから,正常な骨格パターン形成には位置特異的な細胞親和性の確立・維持が重要であると考えられた。
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