Project/Area Number |
11780553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
渡邉 栄治 (渡邊 栄治) 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (30250252)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ナトリウム / チャンネル / ノックアウトマウス / 行動解析 / 塩分摂取 / 渇き / 脳室周囲器官 / 浸透圧 / チャネル / 視床下部 |
Research Abstract |
cDNAの同定以来、チャンネル特性、生理機能共に全く不明であったNav2イオンチャンネルの機能解明を目指して遺伝子欠損マウスを作製した。遺伝子欠損マウスは一見正常に発生、成長した。中枢神経系におけるNav2の遺伝子発現を調べたところ、脳弓下器官、終板脈管器官といった脳室周囲器官等に特異的な発現が観察された。脳室周囲器官はアンギオテンシン2や血中浸透圧・塩濃度の受容部位であり、食塩摂取行動を制御している中枢性感覚器とされている。そこで塩分摂取に関する行動解析を遺伝子欠損マウスに対して行った結果、絶水及び食塩飢餓状態において高張塩水の異常な摂取行動が観察された。c-fosタンパク質の発現を目安に、絶水状態下にある動物の中枢神経系における神経細胞活動レベルを調べたところ、脳弓下器官および終板脈管器官に選択的に神経活動の異常な亢進が観察された。すなわち、Nav2は、脳室周囲器官の神経細胞の活動制御に直接的に関与しており、塩分摂取行動の中枢制御に重要な働きをしていることが示唆された。本研究結果は、The Journal of Neuroscience誌(2000,vol.20,p7743-7751)に報告した。引き続きNav2を発現している神経細胞でイオンイメージング解析を行っている。その結果、野生型マウスの神経細胞では、細胞外ナトリウムイオン濃度が生理的なレベルより上昇すると、これに応答して細胞内ナトリウム濃度が上昇したが、遺伝子ノックアウトマウスの神経細胞ではこの現象は観察されなかった。すなわち、Nav2は細胞外ナトリウム濃度を検出して開口する「ナトリウム感受性ナトリウムチャンネル」であることが示唆された。この結果は、脳神経科学の最先端(2001年1月22日:東京都渋谷区・津田ホール)で報告した。現在論文投稿の準備中である。
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