Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
大脳皮質一次運動野は中心前回に存在し,その外側から内側にかけて口腔顔面,上肢,体幹,下肢という順で身体の各部位が再現されている.今回下肢支配域の体部位再現と皮質性入力について検討した.まずICMSにより,下肢近位部の支配域は半球の中心前回を含む外側面に位置し,遠位部の支配域を取り囲むように再現していることが確認された.半球内側壁の下肢支配域には主に近位部が再現されていた.同定された下肢支配域へ逆行性トレーサーを注入した結果,一次運動野下肢支配域は運動前野背側部,補足運動野,帯状皮質運動野からの強い皮質性入力を受けていることが明らかになった.また,下肢近位支配域と下肢遠位支配域の両者への逆行性蛍光トレーサー注入による二重標識法により下肢近位支配域投射ニューロンと下肢遠位支配域投射ニューロンが運動前野背側部と帯状皮質運動野において混在しており,二つの部位が下肢の近位-遠位の協調運動に関与していることが示唆された.同様の近位部遠位部への注入は過去に上肢支配域について行なったが,この場合運動前野では上肢近位支配域投射ニューロンと上肢遠位支配域投射ニューロンが別の領域に分布していた.したがって上肢運動に関しては近位遠位の運動を独立に制御する領域が運動関連皮質領野に存在しているのに対して,下肢運動に関しては近位遠位の運動を独立に制御する領域は存在していない可能性を見いだした.
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