黒質ドーパミン神経のG蛋白質制御内向き整流カリウムチャネルによる機能制御機構
Project/Area Number |
11780558
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲野辺 厚 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00270851)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | カリウムチャネル / G蛋白質 / シナプス膜電位 / 内向き整流性カリウムチャネル / 膜2回貫通型カリウムチャネル / G蛋白質制御カリウムチャネル / アンカリング蛋白 / 中枢神経系 |
Research Abstract |
パーキンソン病様の症状を示すwvマウスの原因遺伝子はG蛋白質制御型内向き整流カリウム(K_G)チャネル分子Kir3.2である。Kir3.2遺伝子は複数のエクソンから構成され、それらは多様なスプライシング修飾を受け、N、C末端の異なる複数の変異体が産生される。黒質ドーパミン神経ではKir3.2aとKir3.2cの2種の変異体が発現し、機能チャネルを構成している。Kir3.2cはKir3.2aに比べてC末端が11アミノ酸長いが、発現実験系でKir3.2cは蛋白質に合成され、細胞膜に運ばれているにも関わらず、チャネル活性を示さない。しかし、Kir3.2cのC末端と結合するPDZ蛋白質(PSD-95、SAP97)共存下で、明らかなG蛋白質感受性のチャネル活性が発現した。そのため、K_Gチャネル分子とシナプス局在化蛋白質の相互作用はチャネルの集積のみならず、活性制御にも関与することが明かとなった。 G蛋白質αサブユニットのGAP活性を持つRGS蛋白質共存下で、再構成K_Gチャネルは受容体刺激に早い応答をするため、RGS蛋白質は受容体-K_Gチャネル連関を調節する因子として考えられていた。再構成K_Gチャネルは過分極パルスによって緩やかに活性化するカリウム電流を惹起する。この活性化様式はRGS4非共存下ではアゴニスト濃度に非依存性であるが、RGS4共存下では、低濃度のアゴニスト刺激時に大きく変化が見られ、その効果は高濃度のアゴニストで消失した。K_Gチャネルの活性化様式は脱分極時のチャネルの開口確率を反映していると考えられている。そのため、この機構は洞房結節、心房筋において迷走神経より放出される低濃度のアセチルコリンが活動電位の形を変えずに活動電位間の間隔を拡張する機構として機能していると予想される。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)