Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
これまでに培養細胞の基質としては,コラーゲンについては,I型についてのみしか研究が行われていなかった。しかし,実際の生体組織で細胞が接している面に存在するコラーゲンは,多くの場合,I型以外であることが多い。特に,IV型あるいはV型コラーゲンは,量的にも多く存在しており,なおかつ不溶性の細胞外マトリクスとして機能していると考えられるので,これらの型のコラーゲンが細胞の分化形質や増殖能に対して,どのような影響を与えるかということを検討することが,人工臓器を作る上でコラーゲンの役割を考えるときの基盤技術となる。 今年度は,V型コラーゲン(主に平滑筋周囲や血管内皮細胞近傍に存在する)の再構成線維について,どのような条件で培養床となる線維を形成するかということについて,溶媒のイオン強度,インキュベーション温度,インキュベーション時間を変化させたときに,どのような線維を作るのか検討した。興味深いことに,V型コラーゲンの線維は,I型とは大きく異なり,条件を変化させてもコラーゲン線維に特有の周期的縞模様構造を呈する再構成線維ができている限りは,太さがほぼ一定(約40nm)になるという特徴がわかった(Mizuno et al.,2001)。また,V型コラーゲンについて,先行研究で,血管内皮細胞の増殖が抑制されるという報告があったが,これまでは,分子状の標品,つまり生体内にあるような線維になっていない標品を用いて行われており,線維を再構成したV型コラーゲンが血管内皮細胞の影響にどのような影響があるのかわかっていなかった。そこで,V型コラーゲンを線細にしたちのの血管内皮細胞に対する効果を検討したところ,線維を再構成させたほうが,増殖抑制能が高い可能性を示す結果が得られた。
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