責任の様態と集団の境界構造との関係に関する知識社会学的研究
Project/Area Number |
11871032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
井腰 圭介 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (50222914)
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Project Period (FY) |
1999 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 責任の様態 / 集団の境界構造 / 問答関係 / 形式知と暗黙知 / 象徴化作用 / 予期の次元 / 団体性 / 全体と部分 / 責任の論理 / 認識根拠 / 暗黙知と形式知 / 境界の変換 / 否定作用 / 団体構成 / 同族団 / 生活体験 / 責任 / 集団の境界 / 知識社会学 / 予期 / 知識の類型 / 罪と罰 |
Research Abstract |
本研究の課題は、「責任の様態と集団の境界構造についての知見の整理」と「集団研究に対する責任の観点の意義と新たな課題の提示」にあった。 責任とは状況への一般的な対応行為が、「特定の対象への応答」という性格を帯びた場合の特殊事例である。応答行為には、行為に先立って「対象の問いかけを予期する知識」が必要となる。応答対象は、象徴的次元と社会的次元の組み合わせで形成され、その組み合わせ方によって応答対象を指示する知識は形式知と暗黙知に分化し、責任の様態は多様化する。責任を発生させる知識は、行為者に「対象との問答関係」という準拠枠を与える。それは、各自の行為を全体の中の部分として認識させる象徴化作用の産物である。象徴化は、行為者間の頻繁な接触によって予期の一致を強化することで可能になる。このため応答対象の象徴性が高い集団では、予期の一致を確保するために境界構造は閉鎖的になる。この閉鎖性は、応答対象が暗黙知の形態で伝達される結果であり、規模の結果ではない。それ故、家制度の解体過程のように、対面的小集団でも応答対象が経済的効果や契約などの形式知へと変換されると閉鎖性と団体性が失われる。 従来の集団研究は、集団を所与のものとして実体視し、集団の境界を事実問題として処理してきた。そのため、集団を輪郭づける境界構造の理論的検討は未開拓だった。しかし、責任という観点を導入することで、個々の行為者の行為に還元できない「団体性」という集団特有の境界を作り出す象徴化作用の存在を明らかにできた。また責任を行為者が保有する「知識と社会関係」の次元に分解し、観察可能な文書資料から解いていく手法を構築した。このように責任の観点の知識杜会学的な導入によって、従来の集団類型論とモノグラフの知見は集団の境界構造の記述として再構成され、類型間の移行を問う集団の動態分析という新たな研究課題が提示できた。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)