障害種別アプローチによる「障害アイデンティティ」析出の可能性の検討
Project/Area Number |
11871033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
杉野 昭博 関西大学, 社会学部, 助教授 (30247895)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 障害者福祉 / 障害学 / ICIDH / 障害アイデンティティ / 障害の文化 / 障害者スポーツ / 障害児教育 / 障害者自立生活センター |
Research Abstract |
「障害をもつ人」が「健常者」と異なる固有のアイデンティティを持つという着想に基づき、「障害アイデンティティ」を障害種別に析出することは可能か、また可能であるとすればどのような方法によって最も効果的に析出できるのかを文献研究および参与観察・インタビュー調査にもとづき検討した。 文献研究では、WHOによるICIDHの改訂版(ICIDH-2)における「障害」観と、Disabled People's International(DPI)の主張する「障害」観との比較検討をおこない、「障害の医療モデル」と「障害の社会モデル」との対立点を整理した。(杉野2000)さらに、「障害の社会モデル」を基礎として1980年代から発展してきたDisability Studies(障害学)における理論的業績を、とくに「障害アイデンティティ」の視点から整理検討した。(杉野2001) 実地調査においては、平成11年8月23日より26日まで兵庫県立総合体育館でおこなわれた「第7回全国障害高校生リーダー大会:障害者甲子園」(主催:「障害者甲子園」実行委員会・メインストリーム協会)の全日程を観察・記録した。また、聴覚・視覚・肢体の各障害についてそれぞれ5名ずつ2時間程度のインタビューをおこなった。これらの調査を通じて、聴覚障害においては手話という独自のコミュニケーション方法を軸として、また視覚障害については三療業など独自の職業を通じて、固有のアイデンティティが形成されることを確認した。ただしアイデンティティ形成は統合教育か分離教育かという就学形態によって左右される可能性を示唆できる。肢体障害については、その障害形態別に独自のスポーツ活動や独自のライフスタイルを軸として固有のアイデンティティが形成される可能性を確認できた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)