Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
物理的なスーパー・コンフォーマル代数(SCA)には,virasoro代数(N=0),Neveu-Schwarz代数(N=1)をはじめとして,N=2,3,4などのスーパー代数がある。Nはウェイトが3/2のodd fieldの個数であるが,ここでは簡単にランクと呼ぶ。 SCAの表現論は物理学の面からも深い関心を持たれ研究されているが,多くの難しい障碍があり,ランクの高いSCAには研究成果の蓄積あるいは累積はほとんど無い。例えばN=4SCAについては1988年の,N=3 SCAについては1990年のどちらも物理学者による論文のあとには,めぼしい進展はないと言って良いと思う。 筆者は,nilpotent軌道の量子化に付随するsuper-fermionを付加してDrinfeld-Sokolovreductionの量子化を行うことにより,アフィン・スーパー・リー環gのW代数W(g)を構成し,gがsl(2|1)^およびsl(2|2)^のときに,それらのW代数としてN=2とN=4のSCAを構成した。他のSCA例えばN=3 SCAなどとアフィン・スーパー・リー環との関係についても現在研究が進行中である。W代数として構成することの利点は,W(g)の表現はアフィン・スーパー・リー環gの表現を用いて調べることが出来るからである。 上述のことからすでに,N=4 SCAの表現について興味深い現象が見える。例えば,sl(2|2)^の双対Coxeter数は0であるため,sl(2|2)^の境界レベルのadmissible表現は存在しない。従って,virasoro代数やNeveu-Schwarz代数やN=2 SCAのときの離散系列に対応する系列の表現は,N=4 SCAには存在しないということになる。また,sl(2|2)^のadmissible表現の指標は半モジュラー函数であるために,N=4 SCAの既約表現の指標はN=0,1,2のときのようなモジュラー性でなく,半モジュラー性を持つことが分かる。 これらは新しい現象であり,本研究課題のもとでの研究成果は,N=4 SCAの表現の研究に新しい展望を開いたものと思う。
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