特異摂動極限として流体及び電磁気学に現れる双曲系境界値問題
Project/Area Number |
11874028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
柳沢 卓 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (30192389)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 双曲系 / 境界値問題 / 特異摂動 / 漸近解析 / 境界層 / ナビエ・スドークス方程式 / オイラー方程式 / 双曲系境界値問題 / 特異摂動法 / 境界層方程式 / ナビエ・ストークス方程式 / プラントール方程式 |
Research Abstract |
流体力学に現れる準線型対称双曲系の典型例である圧縮性オイラー方程式に対する初期境界値問題を,特異摂動極限として捉えるための枠組みとして,物理的にも自然で重要な問題である,半空間における圧縮性粘性流体の非粘性極限問題を取り上げ、以下の点を明らかにした。 1.以前,線型化問題に対して適用した多重スケール変換を用いた漸近解析法により,圧縮性粘性流体の近似解を内部展開項と境界層展開項の和として求めた。この際,境界層展開において非線型問題として現れてくるのは,質量密度と流体速度の法線成分の第1項目に対する常微分方程式の2点境界値問題と,流体速度の接線成分の第1項目に対するPrandtl方程式の初期境界値問題である。この2つの非線型問題の存在定理を示すことが次の目標となる。しかし,Prandtl方程式の初期境界値問題に対しては接線微分のエネルギー評価を示すことが困難なことから,通常のソボレフ空間での解の存在定理を示すことは難しいと考えていた。しかし,最近,従来Prandtl方程式の線型化を行なうときに低階項と見なしてきた項を主要部に取り入れることにより,線型Fokker-Planck方程式と類似の評価が成り立ち,これを用いれば接線微分の(1未満の)分数階微分の評価は得られることがわかった。今後,この評価により非線型性をどこまでコントロールできるかを検討していきたい。 2.初期値が境界条件との適合条件を満たすことを用いて、上で(形式的に)構成した近似解の境界層展開項の第1項目に対する一様評価を,時間を十分短く限ることにより示すことができた。このことを用いて誤差項の一様評価が得られるかどうか考察を進めたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)