Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
今年度の当該研究は以下の3つにまとめられる: 1)強誘電体の構造相転移の際に表面に現れるドメイン構造の周期的変動の観察, 2)形状記憶合金のマルテンサイト相変態時の表面モフォロジーの時間変化の観察, 3)対流条件下の磁性コロイド表面のゆらぎの観察. 1)〜3)のいずれもX線反射率の測定を行うことで,物質表面のメソスコピックなスケールでの構造変化を観察したものである.1),2)は構造相転移の前後における表面構造とその変化に重点をおいたものであり,3)は複雑流体の表面におけるsurface layering構造の自発的なゆらぎを検出しようとするものである. 現在までに得られた成果として: 1)ペロブスカイト型強誘電体BaTiO_3を高温相から120℃相転移を経て110℃に急冷後保持すると,数十分周期のX線反射率強度の変調が観測される.この現象は前年度の研究で発見されたものであるが,今年度は測定前に試料を高温でアニールし,周期や振幅の変化を測定した.解析は目下進行中である. 2)形状記憶合金AuCdを母相より急冷し,X線反射率の時間変化を観察した.その結果,予期されていた表面起伏現象に加えて, ・マルテンサイト相に相転移する以前にX線反射率の強度の上昇(前駆現象)がみられた, ・バルクの相転移温度より数度上で反射率強度が突然減少した(表面相転移温度がバルクと異なる), ・マルテンサイト相に相転移した後も強度が徐々に増大した(表面時効効果)の更に3つの新しい現象が発見された. 3)は本報告書を作成している現在継続中の実験であり,成果の詳細を述べる段階には無いが,試料の底部と上部との温度差を一定に保ちつつX線反射率の時間変化を測定している.時系列データーのパワースペクトルを温度差の関数として求め,表面構造に現れているフラクタル性の起源を探るのが目的である.
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