Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平賀 章三 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10031593)
堤 昭人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90324607)
田上 高広 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80202159)
福地 龍郎 山口大学, 理学部, 講師 (90212183)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
断層沿いの摩擦加熱は断層の性質に大きな影響を与えることが,研究代表者らの過去10年間の研究で明らかになった.摩擦加熱は断層が高速で動くほど重要になるから,大地震の発生直前から発生に至る過程を考える上で極めて重要である.一方,天然の断層では,シュードタキライトが産出することによって,時には岩石が熔融するほど著しい摩擦加熱が起こることがわかるが,大部分の断層ではどの程度摩擦加熱があったかを判断する方法がない.本研究の目的は,熱に敏感な熱ルミネッセンス法・ESR法・FT法を用いて,地震時に断層が高速で動く時に発生したパルス的摩擦発熱量を定量的に推定する方法を開発することである.主な研究成果と今後の見通しは以下の通りである. 1.断層破砕帯のESR信号変化と摩擦加熱 回転式高速摩擦試験機の試料ホールダを工夫して,断層ガウジを用いて高速摩擦実験(最大変位速度=1.6m/s)をすることが可能になった.その結果,断層ガウジのESR信号は,変位速度が大きいほど,また総変位が大きいほど顕著に減少しており,概算では250-500℃の加熱が起きていた可能性があることが示された.ESRは,現状では断層帯内部の発熱を検出する方法として最も有望である. 2.摩擦加熱と熱ルミネッセンス(TL) 温度上昇値はまだ見積もることはできていないが,断層の高速摩擦にともなって,TL信号強度も顕著に減少することが実験的に確認された.TLによっても温度上昇が決定できる可能性がある. 3.摩擦加熱とジルコンのフィッショントラック(FT)長の変化 野島断層沿いに産するシュードタキライトとすぐ横の断層ガウジの間で,大きなFT長の違いが確認された.著しい摩擦加熱はFT長を用いても検出できる可能性がある.
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