Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
従来の放電加工においては放電の発生箇所はただ一箇所である.一方,本研究で開発したマルチスパーク放電加工においては,工作物に対して2つの工具電極を対向させ,放電回路は一方の工具電極→工作物→他方の工具電極の順番に直列に接続される.2つの工具電極はお互いに絶縁された状態で加工機の一つのクイルに固定される.トランジスタがオンのとき,放電は2箇所で生じるので,加工速度は単純には2倍になる.また,消費電力は一つの穴当たりで考えると2分の1となり,大幅な省エネ効果がある.さらに,単結晶シリコンなどの高抵抗材料の加工にマルチスパーク放電加工を適用すると,2つの工具電極は近接しているので,高抵抗材料の中を流れる電流の流路長が短い.したがって,高抵抗材料内での電圧降下を小さくできるので,従来の放電加工に比べて高抵抗材料の加工速度が大きい. 本研究では以上の特長を持つマルチスパーク放電加工システムを構築し,従来の放電加工とマルチスパーク放電加工の加工特性を比較した.以下が得られた結果である. 1.マルチスパーク放電加工のエネルギ効率は従来の放電加工よりも高い.しかし実験から求めたエネルギ効率は理論値よりも低い.これはマルチスパーク法の放電電圧が従来法の放電電圧よりも小さいためであると考えられる. 2.マルチスパーク放電加工の加工速度は従来の放電加工よりも大きい.しかしマルチスパーク放電加工のエネルギ効率が理論値よりも小さいために,マルチスパーク放電加工の加工速度は理論的に予想された値よりも小さい. 3.従来の放電加工では加工が困難な高抵抗の単結晶シリコンを,マルチスパーク放電加工を用いて比較的簡単に加工が行えた. 4,単結晶シリコンの放電加工面のX線回折パターンを調べた結果,ダメージは検出ができない程度に小さいことが分かった.
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