Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
従来形Si CMOSの性能限界を打破する手法として,Si/SiGeヘテロ構造をチャネル部に導入し,キャリア移動度を高める方法が有望である.本研究は,Si/SiGeヘテロ構造の安定性や,ヘテロ界面におけるホットキャリアの挙動に関するものであり,ヘテロ界面付近でのキャリアの捕獲・放出やホットキャリアによる界面準位の発生が,どのように,どの程度に起こるのかといった問題を明らかにすると共に,界面特性の変化を有効に検出するための評価法の確立を目的としている. そこで,Ge比率やSiGe膜厚などを変化させたSi/SiGe/Siヘテロ構造を縦積みで製作し,これを用いてMOSキャパシタやMOSFETを製作した.有効なヘテロ界面特性の評価法を検討するため,測定温度も変化させて種々の容量,電流測定を実施した.これまでの結果から,MOSキャパシタのコンダクタンス測定が感度良く界面特性を評価できそうであることがわかったが,測定結果の解釈にはまだ不明点があり検討を継続中である.また,極めてわずかであるが,MOSFETのドレイン電流が時間と共に減少傾向を示すことを見出した.この現象は,Si/SiGeヘテロ界面におけるキャリアの捕獲に関連しているものと考えて検討を進めている.今後さらに,MOSFETの低周波雑音測定による評価を加え,ヘテロ界面特性の有効な評価法の確立を目指す.Si/SiGeヘテロ構造におけるホットキャリアの挙動については,今回製作したMOSFETのソース・ドレイン抵抗が大きく,チャネルホットキャリア生成に不都合が生じたため,縦方向電界による基板ホットキャリアの実験を実施した.ホットキャリア注入によるデバイス特性変動は,主に,ゲート酸化膜中に注入されたキャリアによるものであり,Si/SiGeヘテロ界面特性の変化を反映したものとは考えにくいことがわかった.上記のコンダクタンス測定によるヘテロ界面評価においても変動は観測されなかった.今後,低寄生抵抗のMOSFETを再製作し,より高エネルギーキャリアが得られるチャネルホットキャリアを用いた実験を行う予定である.
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