Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
大変形する粘弾塑性体の構成則のあり方や計算法を確立されるに至っておらず,より高い精度の解析を行っていくためには,未だ解決を必要とする数多くの問題を抱えている。そこで、近年応用が急増している,地震時におけるエネルギー吸収を意図した免震支承や粘弾性ダンパー,さらに金属の塑性変形を利用した制震装置など,大変形挙動を積極的に利用している高エネルギー吸収部材要素を対象に,(1)画像解析によって大変形・大ひずみを受ける部材の変形状態を精緻に計測する技術を確立し,(2)実験と解析の両者を計測・解析の初期段階より積極的に融合させて用いることで,大変形・大ひずみ状態下の問題を扱うことの出来るハブリッド解析スキームを構築することを目的として研究を行った。 その結果,従来,大変形時におけるひずみ測定が困難であったため,精度の高い構成則が存在しなかった,高減衰ゴムならびに鉛について,高精度の実験計測を実現し,構成則を構築することが可能となった。特に,鉛は,ひずみの局所化が著しい材料であることが明らかとなり,従来提案されていた剛塑性型の構成則ではその挙動を再現できないことが示された。この知見に基づいて,グルソンによって提案された弾粘塑性型構成則を改良し,速度依存性を含めて高い精度で実験結果を再現することに成功した。この過程で,直方体および円筒型の試験供試体について,それぞれ直交座標系,円筒座標系を用いたハイブリッド解析プログラムを構築している。これによって,従来の有限要素解析では困難であった構成則の直接的な検証が可能となった。本研究の成果は,現在のところ,基礎的検討が主であり,適用範囲も限られた幾何学的形状の供試体に限られてはいるが,将来的には,大変形する弾粘塑性体一般に広く適用可能な手法に発展することが期待される.
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