HDDRプロセスによるSm-Fe-Ti系ナノコンポジット磁石の開発
Project/Area Number |
11875145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 諭 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10171175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 基文 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005261)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | HDDR / ナノコンポジット / 不均化反応 / 再結合反応 / Sm_3(Fe,V)_<29>化合物 |
Research Abstract |
最近の機器の小型化に伴い、希土類磁石粉末と樹脂とを複合化した希土類ボンド磁石の需要が急速に伸びている。その磁石粉末作製法としてはメルトスパン法が主流であるが、得られる粉末が等方性のため、各種デバイス分野からの要求磁気特性を満たしていない。これに対しHDDR処理では水素処理より組織微細化が可能であり、高性能異方性ボンド磁石粉末作製方法として期待されている。しかし処理後の結晶粒径が大きく温度特性が悪いなど問題点もある。一方、他の高性能化の方法として、高い磁化を有するソフト磁性相とハード磁性化合物相をナノサイズで析出させ、両相間に相互作用を働かせるナノコンポジット磁石が考えられているが、急冷薄帯の熱処理条件など工業化に向けて問題点が多い。我々の研究によりSm(Fe,Ti)_<12>化合物は、HDDR処理によってハード相:Sm(Fe,Ti)_7化合物とソフト相:α-Feに再結合することが判明し、ガス反応のみでナノコンポジット磁石作製の可能性がある。またCo添加はHDDR処理温度低下に効果があるため、Coを添加系において結晶粒サイズをナノメータサイズに制御できると考えられる。そこで本研究では、Co添加Sm(Fe,Ti)_<12>化合物においてHDDR処理によるナノコンポジット化を試み、さらなる高性能希土類ボンド磁石粉末の開発を目的とする。本年度は平成11年度の研究を継続し、磁気特性のさらなる向上および組織と磁気特性の関係について考察した。得られた結果を要約すると以下のようになる。(1)水素吸収放出特性より不均化反応は800℃付近、再結合反応は1050℃付近に観察された。(2)Sm_2Fe_<17>化合物と比較して不均化反応が生じる温度が200℃以上高いことから、本系化合物は水素中熱処理で分解しにくい化合物と考えられる。(3)Co添加合金においては不均化温度はさほど変化しないが再結合温度が低下することがわかった。(4)800℃でHDDR処理した試料ではキュリー温度が220℃の相に再結合しており、この温度でHDDR処理すれば1-7相が出現することが判明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)