Project/Area Number |
11875191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川崎 三津夫 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50111927)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 二次元イオン結晶 / AgXモノレイヤー / バンド間遷移 / Ag / Au界面 |
Research Abstract |
数十オングストローム以下の厚さの均一なAu原子層で覆われたAg(111)薄膜結晶を、ハロゲン化物イオンの希薄水溶液に浸漬することにより、理想的なハロゲン化銀結晶の(111)表面の構造と酷似した二次元的なイオン結晶相を膜の最表面に固定する事に成功した。その詳細の構造を走査型トンネル顕微鏡を用いて明らかにした。また、この特異な二次元結晶の形成過程が、金/銀/溶液の三相界面が関与した特異な電気化学的効果に由来している事も明らかになった。 さらに、この系の特に光物性に着目して、その光学吸収特性を多重反射吸収分光法を利用して実測した。その結果、3種類の異なるAgX(AgI,AbBr,AgCl)二次元結晶系の全てについて、三次元のバルク結晶とは本質的な異なる吸収特性が確認された。これを詳しく解析することにより、予想どおり二次元空間に束縛された電子のバンド構造の存在が裏付けられた。3次元系とは異なり、結晶マーデルングエネルギーの大きな低下に伴い、3次元系での間接型のバンド構造は直接型のバンド構造に変化する事が分かった。すなち、二次元系においては、荷電子帯頂上付近の状態は、ハロゲンのp軌道にのみ由来しており、銀の4d軌道は、荷電子帯の下位に独立なバンドを形成する。但し、実験装置の性能の問題で、十分な低温条件を実現する事が困難なため、更に興味深いと思われる二次元系特有の低温励起子吸収については、今回実測することはできなかった。
|