Project/Area Number |
11876038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林産学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯山 賢治 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (60012077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 一郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30212020)
新谷 博幸 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30282693)
片山 義博 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (10214339)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 植物バイオマス / リグニン / 微小重力 / 水棲維管束植物 / Zostera marina L / Zostera caulescens / Phyllospadix iwatensis / リグニン生合成関連酵素 |
Research Abstract |
植物バイオマスの有効利用拡大を目的として、リグニン生合成を遺伝子工学的に抑制する試みが多くの研究者によって行われているが、リグニンの量的制御は極めて困難といわざるをえない。本研究ではリグニン生合成を総合的に抑制していると考えられる「微小重力」下に生育する水棲維管束植物の遺伝子系に着目した。 維管束植物の中には植物体全体が海水又は淡水に沈水している種がある。このような水棲維管束植物は陸上植物が水中に「戻った」ものと考えられている。いくつかの海水水棲維管束植物の細胞壁成分の分析を行ったところ、耐塩のため細胞質の膨圧を高めるペクチンが多いものの、細胞壁構成多糖の組成は陸上の被子植物のそれとほぼ同じであった。しかし,リグニン量は2-4%と極めて低いものであった。沈水状態は「微小重力」状態であり、陸上植物のように地球重力に抗する植物体の機械的、物理的強度を必要としない。そのために本来存在するであろうリグニン生合成関連遺伝子群の発現がほぼ完全に抑制されていると考えられる。またこのような水棲維管束植物細胞壁中に、ホウ素を経由した多糖間の結合の存在も明らかにされた。 海水性水棲維管束植物であるアマモ(Zostera marina L.)、タチアマモ(Zostera caulescens)およびスガモ(Phyllospadix iwatensis)について、根茎、葉など組織に分画した後、各区分について細胞壁構成多糖、ポリフェノールの分析を行ったところ、ポリフェノール画分はリグニンであることが判明した。さらにそれら試料について、これまで収集した種々の植物からとられたDNAプローブを用い、陸上植物のそれらと比較しつつリグニン生合成関連酵素の単離・精製およびDNA、RNAの単離・精製を試みたが、陸上植物のそれとシーケンスが著しく異なっており、水棲維管束植物の遺伝子を取り出すことが出来なかった。
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