世界の食料安全保障の確率的な脆弱性評価に関する研究
Project/Area Number |
11876047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Agro-economics
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中川 光弘 茨城大学, 農学部, 教授 (30302334)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 食料問題 / 食料安全保障 / 食料需給予測 / 世界穀物モデル / 農業政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アジアの途上国を中心に穀物市場の短期的変動がもたらす食料安全保障の確率的脆弱性の評価を行うことである。米、小麦、トウモロコシの世界穀物需給モデルを開発し、このモデルによるシミュレーション分析を中心にアジア諸国の穀物需給の動向と食料安全保障対策について分析を行った。 世界穀物需給モデルによる確率的脆弱性の評価によると、穀物市場は在庫水準の低下、マクロ経済の変化、穀物単収の変動などによって不安定になるが、特に最近では穀物単収の変動の影響が大きいことが確認された。米については、最近単収変動の縮小により輸入変動の縮小傾向が認められるが、小麦については、人口大国のインドにおいて輸入変動の拡大傾向が見られ、世界穀物市場の主要な変動要因になることが懸念される。トウモロコシについては、経済発展に伴う飼料用需要の急増と単収変動の拡大のため、アジア諸国のトウモロコシ輸入が不安定になる可能性が高いことが確認された。バングラデシュやミャンマーなどの最貧国では、最近の緑の革命の終焉による穀物単収の伸び悩みのため国民1人当たりの穀物消費が減少しており、農業技術ポテンシャルの枯渇と水、土地資源の制約が、食料安全保障を脅かす主因となりつつある。緩衝在庫の創設や外貨準備、貿易措置とならんで技術、資源、環境対策への取り組みを強化することが、アジアの食料安全保障を高める上で重要であることが確認された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)