Project/Area Number |
11876055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
実岡 寛文 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (70162518)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | トウモロコシ / フィチン態リン酸 / 環境汚染 / ソルガム / フィチン酸リン / RAPD / リン酸 |
Research Abstract |
鶏、豚などの飼料は、トウモロコシなどの植物飼料原料を主体として配合されている。この植物飼料原料に存在するリン酸(P)の大半は、フィチン態リン酸(フィチン態P:ミオイノシトール6リン酸)である。このフィチン態Pは豚や鶏で消化吸収されないために大量のPが糞尿とともに排泄されている。本研究では、フィチン態P割合の低い品種の開発とフィチン態P割合を低める栽培法を検討するために、トウモロコシ子実のフィチン態P割合の品種間差と、トウモロコシ子実の生長段階にともなうフィチン態P濃度の変動を解析した。 実験1:1999年度産F_1トウモロコシ188品種の子実の全Pおよびフィチン態P濃度を測定した結果、(1)トウモロコシ子実中の全P濃度はそれぞれ5.7〜12.2、フィチン態P濃度は4.9〜10.8mgP_2O_5/gDWであった。(2)フィチン態P割合は、低い品種の50%から高い品種の97%までと大きな品種間差が認められた。(3)フィチン態P割合の低い品種にはKi11Cms、Ki11Rmsなどを母系とする品種が、また、高い品種にはGY179、GY315を母系とする品種で多く、この結果から、母系品種を育種素材とすることによってフィチン態P濃度が低いトウモロコシ品種の育成が可能であることが示唆された。 実験2:品種パイオニア95を圃場栽培し、生育にともなう全P、無機リン酸(無機P)、およびフィチン態P濃度の変動を調査した。その結果、(1)植物体全P量は生育とともに増加したが、子実へのP分配率は絹糸抽出期から黄熟期にかけて0.7から48.2%へと急上昇した。(2)子実フィチン態P濃度は絹糸抽出期には0mg P_2O_5/gDWであったが、乳熟期、糊熟期、黄熟期にそれぞれ0.9、3.8、6.3mgP_2O_5/gDWであった。(3)子実中の全Pのうち絹糸抽出期には10%が無機P、残り90%が細胞構成Pであったが、乳熟期からフィチン酸合成が始まり、黄熟期には75%がフィチン態P、18%が無機P、7%が細胞構成Pであった。以上の結果、フィチンの集積は乳熟期以降に急増することが明らかとなった。
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