Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
解剖学的ならびに生理学的視野からみた機能的研究により,我々は,ラット頚部を走行する上行性大動脈弓由来降圧神経(ADN)は延髄孤束核(NTS)の孤束を介してmedial NTSの樹状突起と細胞体に投射し.伝達物質としてグルタミン酸を放出していること.さらに後シナプスNTS細胞におけるグルタミン酸受容体はnon-NMDA受容体であることを明らかにしてきた.また,後根神経節などの感覚器受容細胞にはVR-1(バニロイド配糖体)受容体が高密度に発現しているが,ADN神経終末にもVR-1受容体が存在しグルタミン酸放出が増強することを初めて明らかにした. ところで,1997年にVR-1受容体がクローニングされ,1999年になって降圧作用を有する大麻成分のアナンダマイドがVR-1受容体の内在性アゴニストであることが発見された.当初アナンダマイドはカンナビノイド(CB1)受容体のアゴニストとして脳から発見されたが.今までその作用機序は十分に明らかにされていない.一方,ADNからNTSニューロンへの興奮性入力(グルタミン酸放出)がVR-1受容体の活性化によって促進されるという我々の発見は,血圧調節に果たすアナンダマイドおよび中枢VR-1受容体の重要性を示唆したものである. そこで,ADN由来の微小神経終末部のみに対するアナンダマイドの作用を明確にするため,我々の研究室で開発した単一神経終末刺激法(Focal Stimulation Method)にて,ADN神経終末部のみからのグルタミン酸の放出を観察し,単一神経終末レベルでのカンナビノイドと血圧調節中枢との関連を現在検討中である.
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