Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
リンパ球に抗原を提示して癌に対する免疫応答カスケードを活性化させる樹状細胞の癌組織内への浸潤程度が予後や生体の癌に対する免疫応答能を予測できる有用な因子となることを明らかにした。また,樹状細胞を癌細胞の凍結・融解処理操作にて作製した癌抗原で刺激すると,主要組織適合抗原クラスIIに拘束性の特異的キラー細胞が誘導されることも証明した。さらに、低用量の抗癌剤(フルオロウラシルとシスプラチン)にて癌細胞にアポトーシスが誘導されることを通常の病理組織染色(HE染色),免疫組織染色(Hoechst染色),透過型電子顕微鏡所見による形態的観察のみならず,蛋白および遺伝子のレベルからも証明した。一方,樹状細胞をパルスする際に用いる癌抗原に関して、野生型p53を発現している癌細胞では抗癌剤処理によりアポトーシスを誘導したものを、逆に変異型p53を有している癌細胞では凍結融解処理をして得られた癌抗原を用いた方が高いキラー活性を持つTリンパ球が誘導される可能性を示唆するデータが得られた。 このような基礎的研究結果に基づき,倫理委員会の承認を得た後,十分なインフォームド・コンセントのもとに、3年間の研究期間内に10症例(乳癌、大腸癌、膵癌など)に対して樹状細胞でパルスした得られた自己の活性化リンパ球の移入療法を実施した。皮膚転移巣の縮小や胸水の消失など、臨床的には比較的良好な治療効果が得られたことから、『活性化自己リンパ球移入療法』として高度先進医療の承認を申請し、現在審査中である。
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