新しい癌血管新生因子angiopoietinファミリーのシグナル伝達制御による癌治療の試み
Project/Area Number |
11877214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 真二 九州大学, 医学部, 助手 (30253420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉町 圭蔵 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00038762)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Angiopoietin-2 / Tie2 / hepatocellular carcinoma / angiogenesis / hypervascularity / in vivo electroporation / gene therapy / tumor dormancy |
Research Abstract |
我々は新しい癌関連遺伝子として高度血管新生を示す肝癌組織に特異的に発現するangiopoietin-2をクローニングした。次にその機能解析のためangiopoietin-2高発現肝癌細胞株を作製した。angiopoietin-2高発現肝癌細胞株はin vitroではその細胞増殖に変化がなかったが、ヌードマウスに腹腔内投与すると腫瘍形成とともに全て3週間以内に出血死した(Tanaka et al.J Clin Invest,1999)。さらに特異的抗体による免疫組織化学的解析により蛋白質発現を調べると、angiopoietin-2蛋白は非癌部肝組織や高分化肝癌ではほとんど発現しないが、中・低分化肝癌の新生血管周囲の癌細胞に強く発現することがわかった(投稿中)。またangiopoietinファミリーの特異的レセプターであるTie2チロシンキナーゼのcDNAをLudwig癌研究所Stacker博士より分与を受け、その発現細胞Tie2-3T3を作製した。angiopoietin-2によりTie2-3T3細胞のTie2チロシンキナーゼは活性化されるが、Tie2のectodomain発現ベクターeTie2導入により抑制された。さらにマウス腫瘍モデルにおいてeTie2遺伝子をin vivo electroporationにより導入すると、その腫瘍形成は著しく抑制された(投稿準備中)。また、我々は癌組織で高発現する新たな血管新生関連遺伝子をクローニングし現在その解析が進行している(GenBank登録AB034122)。 近年、癌血管新生の抑制はtumor dormancy(癌冬眠化)を誘導する新たな治療標的として注目を集めているが(Boehm et al.Nature 1997)、本研究により新たな癌治療のターゲット分子候補が解明され、極めて高い成果が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)