Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
基底膜の主成分であるIV型コラーゲンは,6種類のα鎖から成ることが知られている.しかし,分子構成や生体組織における機能は不明なことが多い.現在のおもなテーマは,マウスIV型コラーゲン各α鎖遺伝子の構造解析,免疫染色による組織特異的発現の解析,そして基底膜の生理的機能の解明である. 最初にマウスα5(IV)コラーゲン鎖とα6(IV)コラーゲン鎖の全塩基配列を決定した.この配列情報をもとに合成ペプチドを作り,α5鎖とα6鎖に特異的なモノクローナル抗体を作製した.この抗体と,これまでに作製された他のα(IV)コラーゲン鎖特異抗体を使い,マウス上皮基底膜における各α(IV)コラーゲン鎖の発現分布を解析した.その結果,IV型コラーゲンは三つの分子構成をしているらしいことがわかった.それはα1/α1/α2分子とα3/α4/α5分子そしてα5/α5/α6分子の三つである.α1/α1/α2分子はすべての基底膜に検出された.α3/α4/α5分子は腎糸球体,肺胞,脈絡叢などに存在し,選択的物質輸送に関わりあって機能していることが考えられた.α5/α5/α6分子は精巣上体,皮膚などの,伸縮が要求される組織にみられた.これらより,三つのIV型コラーゲン分子は組織特異的に発現し,それぞれ異なった働きを持つことが明かとなった. さらにα3/α4/α5分子の特異な働きを証明するために,Co14a3発現停止マウスを入手して解析を行った.Co14a3発現停止マウスの腹腔に染色剤エバンスブルーを投与したところ,正常マウスに投与した時と比較して脳や精巣の染色度合いに明らかな違いが現れた.α3/α4/α5分子は血液関門の生理機能に関与していることが示唆された.
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