胎盤でのトリプトファン酸素添加酵素阻害は果して流産の原因となるか?
Project/Area Number |
11877288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
河野 一郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30108146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
刀祢 重信 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70211399)
湊川 洋介 川崎医科大学, 医学部, 教授 (50094678)
藤原 恵一 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20238629)
石川 哲也 川崎医科大学, 医学部, 助手 (90221754)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | TDO / 胎児 / 免疫寛容 / トリプトファン / 酸素添加酵素 / 妊娠 / 胎盤 / IDO / 母体 |
Research Abstract |
妊娠時の母児間の免疫寛容に対し、1998年にMunnらがSciece誌上で、インドールアミン酸素添加酵素(以下IDO)が正常妊娠時に胎盤で働くことにより、局所的にトリプトファンを枯渇させ、その結果、母体側の免疫拒絶を担うTリンパ球が機能不全に陥るという報告を行った。そこで我々は、トリプトファン代謝の急激な昂進が免疫寛容の主体であり、それを担う遺伝子がIDOであるか否かを解明するために、マウス胎盤や胚体外組織を用いてIDO発現の時間的推移を観察した。IDO酵素活性は妊娠5.0日から検出でき、6.0から7.0日目に最も高い活性を示し、その後急速に減少した。Western blotではIDO蛋白は、妊娠8.0日から10.0日目にピークを示した。Northern blotおよびRT-PCR法ではmRNAの発現は8.0日から認められ、9.0日目にピークを示し14.0日以降は発現が認められなかった。以上トリプトファンを分解する酵素活性とIDOの蛋白質およびmRNAの発現とに齟齬がある結果が得られた。そこで妊娠初期に高発現しているトリプトファン分解酵素が如何なるものかを解明するため、もう1つのトリプトファン分解酵素であるトリプトファン酸素添加酵素(以下TDO)に着目し検索を行った。TDOは、遺伝子レベルでは5.0日目から10.0目目に、また蛋白レベルでは6.0日から14.0日目に強力に発現していた。これまでTDOは成体の肝臓でのみ特異的に発現していると報告されており、はじめてTDOが肝臓以外の組織中に確認された。以上、妊娠初期の胎盤局所でトリプトファンを枯渇させるのにIDOよりもむしろTDOの方が強力に働いているとの結果を得た。これらの母児間免疫寛容への関与を検討する必要がある。現在それぞれの発現部位をin situ hybridization法で検討中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)