Project/Area Number |
11877293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内藤 泰 京都大学, 医学研究科, 講師 (70217628)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 内耳性難聴 / 聴覚連合野 / ポジトロン断層法 / 語音弁別能 / 客観的評価 / 聴覚言語 / 脳磁図 / 可塑性 / 難聴 / 人工内耳 |
Research Abstract |
脳機能画像法による聴皮質の観察に基づいて難聴を客観的に評価することを目的に、語音弁別能が低下している内耳性難聴患者の単語聴取における脳活動をポジトロン断層法により観察した。内耳性難聴患者5名を対象にあらかじめ予備検査として単語の聞き取り検査を行い、弁別が良好であった単語と弁別が不良であった単語に分けた。このような患者が1)何も聞いていない状態、2)弁別しやすい単語を右耳から聞いている状態、3)弁別にくい単語を右耳から聞いている状態、4)弁別しやすい単語を左耳から聞いている状態、5)弁別にくい単語を左耳から聞いている状態の5条件下での脳血流をPET(GE Advance)を用いて計測し、有意な賦活部位を統計学的解析(SPM96)により同定した。その結果、弁別が良好な単語を聞いているときには刺激耳に関わらず両側の聴覚連合野、ブローカ野、右半球のブローカ相同領域、左の角回に強い賦活を認めた。これらの結果は我々が以前に報告した人工内耳患者でのものと同様の結果であり、内耳性難聴患者では中枢へ入力される情報が不十分であるために、聴覚連合野だけでなく、運動性言語野を含めた様々な領域を働かせ認知にあたっているものと推察される。左角回の活動は認知できたことを反映するものと思われる。一方、弁別不良な単語を聞いているときには、聴覚連合野の活動は刺激耳の反対側のみで見られ、また左角回の活動は認めなかった。内耳での情報処理が不十分であるため同側の聴覚連合野を活動させるには至らず、結果として不良な単語認知につながったものと推察される。このように単語を認知しやすい場合と認知が難しい場合には脳活動のパターンに明瞭な違いが見られ、内耳性難聴者における単語の認知の相違を脳機能画像によって客観的に示すことが出来た。
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