Project/Area Number |
11877295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
藤原 裕美 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (60309664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 将風 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (80301844)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 1999: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | コミュニケーション障害 / 高齢者 / 老人施設 / 療養型病床群 / 長谷川式痴呆審査スケール / うつ性自己評価尺度 / 耳鼻咽喉疾患 / 矢田部・ギルフォード性格検査 |
Research Abstract |
[研究目的] 高齢化社会の進行に伴い、老人施設も増床が進行しつつあるが、それらの施設での高齢者のコミュニケーション能力の評価に関しては、個々人の能力に応じた適切な評価がなされているかどうか疑問である。そのため昨年度に続き療養型病床群においてコミュニケーション障害の実態を調査した。 [研究方法] 対象施設の入院患者のうち同意の得られた62例に対して、1.問診、2.聴覚印象による構音及びコミュニケーション状況評価、3.耳鼻咽喉診察による耳及び口腔構音器官の評価、4.オージオメータによる聴力レベル測定、5.長谷川式痴呆診査スケールによる痴呆傾向の把握、6.うつ性自己評価尺度(SDS)によるうつ傾向把握の6項目を可及的に施行、コミュニケーション能力を総合的に評価し、施設側の評価と比較検討した。 [結果] 1.調査対象62例中25例(40.3%)になんらかの耳鼻咽喉疾患を認めた。またそのうちの多くは自覚症状を欠き、施設側にも疾患の存在を把握されていなかった。2.良聴耳聴力レベルと聴力に関する施設側の評価には、相関を認めた。3.長谷川式痴呆診査スケールスコアと知的能力に関する施設側の評価には、相関を認めた。4.SDSでは、軽度以上のうつ傾向を持つ者が多かった。5.SDSは長谷川式スコア、ADL、聴力との相関を認めなかった。6.構音障害は施設側には他の障害と混同して評価される傾向にあった。 [考察] 以上の結果から、言語聴覚士のいない老人施設においては、入所者のコミュニケーション能力は必ずしも適切に評価されておらず、特に耳鼻咽喉疾患や構音能力の評価に専門職の評価との食い違いが見られた。またSDSはコミュニケーション障害の独立したパラメーターとして有用と考えられるが、高齢者には独自の判定基準が必要と思われた。
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