Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
オステオインテグレーションしたインプラントは,周囲骨と軟組織の介在なしに結合するのを特徴としているため,その粘弾性特性や被圧変位特性などが天然歯と大きく異なる。そのため,インプラントおよびその上部構造と天然歯とが同一口腔内に共存し,長期にわたる安全性,生存率,良好な臨床成績,高い予知性を得るためには種々な要因について検討する必要がある。そこで本研究では,まず人工歯根膜の特性を把握するため、残存歯との調和をはかるために歯根膜を模倣した機構を有するIMZインプラントを用いて,その上部構造を構成する内部エレメントの違いが顎口腔系に及ぼす影響について,インプラントの動揺特性を検討した。 インプラントの動揺特性については、当講座の開発したT-Mテスタを用いて測定を行った。MI値を用いることにより,得られた3種類のエレメントと天然歯の動揺特性は,これまでに報告された粘弾性特性と同様な結果を示し,Tiエレメント,IMC,IME,天然歯の順に動揺度が大きくなった。また,天然歯とIMEとの間には,有意差がみられなかったが,Tiエレメント,IMCと天然歯とは有意差がみられた。これらのことについて,IMEは,上部構造の固定と内部可動性の提供という2つの機能を同時に果たし,POMの粘弾性が大きく反映され,天然歯に類似した結果が得られたと考えられる。IMCでは,それらの機能をそれぞれ独立させ,従来のIMEの維持部とTIEを一体としたチタン製のIMCインサートの上にPOM製のIMCエレメントが乗るような形状になり,POMの絶対量が少ない結果,粘弾性が高くなったと考えられる。Tiエレメントは,インプラント体にねじ込まれ,チタンスクリューを介して上部構造とインプラント体を固定しており,従来のIMZインプラントの特徴である内部可動性機構の存在をなくし,他のオステオインテグレーテッド・インプラントの構造と同じ機構となり,粘弾性が高くなり,オステオインテグレーションしている限り,Tiエレメントの動揺度が小さくなると考えられる。 したがって、インプラントの周囲に緩衝作用として人工歯根膜を考えるならば、この3種類のエレメントと天然歯の動揺特性についてさらに検討する必要性が示唆された。
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